「ダイエット中はタンパク質を摂ったほうがいい」はよく聞きますが、実際に何グラム必要なのかを知っている方は多くありません。厚生労働省の基準では、18〜64歳の1日の推奨量は男性65g・女性50g。ただしこれは「不足しないための量」です。この記事では、公的データの数値・身近な食品に置き換えたときの現実的な量・続けやすい摂り方の3点を、出典を明記しながら整理します。数字を細かく計算しなくても、「何をどれだけ足せばいいか」がわかる形にまとめました。
そもそも1日にどれくらい必要?(公的な基準の数値)
まず出発点になるのが、厚生労働省が5年ごとに改定している「日本人の食事摂取基準」です。最新の2025年版では、タンパク質の1日あたりの基準が年齢・性別ごとに示されています。
| 年齢 | 推奨量(男性) | 推奨量(女性) | 目標量(%エネルギー) |
|---|---|---|---|
| 18〜29歳 | 65g/日 | 50g/日 | 13〜20% |
| 30〜49歳 | 65g/日 | 50g/日 | 13〜20% |
| 50〜64歳 | 65g/日 | 50g/日 | 14〜20% |
| 65〜74歳 | 60g/日 | 50g/日 | 15〜20% |
| 75歳以上 | 60g/日 | 50g/日 | 15〜20% |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」たんぱく質の食事摂取基準(妊婦・授乳婦の付加量を除く)[1]
ここで大事なのは「推奨量」という言葉の意味です。推奨量は、ほとんどの人が不足しないと考えられる量を指します。つまり65g・50gは「頑張って目指す上限」ではなく、「これを下回ると足りていない可能性がある」ラインです。ダイエットの土台として、まずここを毎日満たせているかを確認するところから始めます。
「目標量」は割合(%エネルギー)で示されている
表の右端にある目標量は、1日に摂るエネルギーのうちタンパク質が占めるべき割合の範囲です。18〜49歳なら13〜20%とされています。タンパク質は1gあたり約4kcalなので、たとえば1日1,800kcalの食事なら、13%で約58g、20%で約90gが目安の範囲になります。
食事量を減らしている最中は分母のエネルギーが小さくなるため、同じ「割合」でもグラム数は自然と減ります。減量中にタンパク質が不足しやすいのは、この構造も一因です。
上限は決まっていない。ただし「多いほど良い」でもない
同じ食事摂取基準では、タンパク質の耐容上限量(これ以上摂ると健康障害のリスクが高まるとされる量)は「明確な根拠となる報告が十分ではない」として設定が見送られています[1]。一方で、目標量の上限は1歳以上の全年齢区分で20%エネルギーと定められています。
「上限が設定されていない=いくらでも摂っていい」ではありません。極端に偏らせず、目標量の範囲に収める、という理解が現実的です。
ダイエット中に「多め」を意識したほうがいい理由
減量中に落ちるのは脂肪だけではありません。食事量を大きく減らすと、脂肪と一緒に筋肉(除脂肪量)も落ちやすくなる傾向があります。筋肉が減ると基礎代謝(安静時にも消費されるエネルギーの量)が下がりやすくなり、ダイエット後に体重が戻りやすい状態につながります。
体重が落ちなくなる時期や、ダイエット後に戻ってしまう問題の背景としても、この点は無視できません。詳しくはダイエットの停滞期はなぜ起きる?とリバウンドしないダイエットのコツもあわせてご覧ください。
参考になる数字:アスリートの減量では体重1kgあたり1.6〜2.4g
国立スポーツ科学センター(JISS)の「ウエイトコントロールガイドブック」では、減量中の除脂肪量の減少を抑えて維持するために、体重1kgあたり1.6〜2.4gのタンパク質が必要だとされていると記載されています[2]。同資料では「これは日常的にアスリートに推奨されている量と同量」とも説明されています。
ただし、これはアスリートを対象にした資料の数値です。日常的に高強度のトレーニングをしていない方が、そのまま自分に当てはめる数字ではありません。体重60kgの方に単純計算すると96〜144gとなり、食事だけで達成するのはかなりの負担になります。
一般の方がまず目指すべきなのは、推奨量(男性65g・女性50g)を毎日確実に満たすことです。食事の内容を1日分書き出してみると、ここに届いていない方は珍しくありません。トレーニングの頻度や強度が上がってきた段階で、トレーナーと相談しながら少しずつ量を調整していくのが現実的な進め方です。
「65g」ってどれくらい?身近な食品に置き換えてみる
グラム数だけでは実感が湧きにくいので、食品に含まれる量を見てみます。以下はすべて文部科学省「日本食品標準成分表」の可食部100gあたりの数値です[3]。
| 食品(100gあたり) | タンパク質 |
|---|---|
| くろまぐろ 赤身(天然・生) | 26.4g |
| 鶏ささみ(若どり・生) | 23.9g |
| 鶏むね肉(若どり・皮なし・生) | 23.3g |
| プロセスチーズ | 22.7g |
| さけ(しろさけ・生) | 22.3g |
| 豚ヒレ肉(赤肉・生) | 22.2g |
| 鶏むね肉(若どり・皮つき・生) | 21.3g |
| さば(まさば・生) | 20.6g |
| 納豆(糸引き納豆) | 16.5g |
| 鶏卵(全卵・生) | 12.2g |
| 食パン(角形) | 8.9g |
| 木綿豆腐 | 7.0g |
| 絹ごし豆腐 | 5.3g |
| ヨーグルト(全脂無糖) | 3.6g |
| 普通牛乳 | 3.3g |
| ごはん(精白米・うるち米) | 2.5g |
「ありがちな1日」を計算すると足りていないことがある
上の数値をもとに、忙しい平日にありがちな1日を計算してみます(食品成分表の数値からの概算です)。
- 朝:食パン6枚切り1枚(約60g)とコーヒー …… 約5g
- 昼:おにぎり2個(ごはん約200g相当) …… 約5g
- 夜:ごはん150gと豚ヒレ肉80g …… 約22g
合計はおよそ32g。女性の推奨量50gにも届きません。「そんなに食べていないのに体型が変わらない」という方の食事を伺うと、エネルギーは足りていてもタンパク質だけが不足している、というパターンは実際によく見られます。
足りない分は「少し足す」だけで埋まる
上の例に、次のものを足すとどうなるかを見てみます。
- 朝に卵1個(可食部約50g)…… 約6g
- 朝に牛乳200ml(約206g)…… 約7g
- 昼に納豆1パック(約40g)…… 約7g
- 夜に木綿豆腐150g …… 約11g
合計で約30gの上乗せになり、1日の合計は約62g。特別な食材を買い足さなくても、「主食を減らす」のではなく「タンパク質源を足す」だけで基準ラインに乗せられます。まずはこの発想の転換が、最初の一歩として効果的です。
数値を見るときの注意点
① 調理後の数値は高く見える
成分表を見ると、鶏むね肉(皮なし)は生で23.3gですが、「焼き」では38.8gと記載されています[3]。タンパク質が増えたわけではなく、加熱で水分が抜けて100gあたりの濃度が上がるためです。調理前の重さで考えるか、調理後の重さで考えるかを揃えないと、二重に見積もってしまいます。
② 「高タンパク=低カロリー」ではない
同じ鶏むね肉でも、皮つきは21.3g、皮なしは23.3gと差があります。タンパク質量の差以上に、皮の有無は脂質量に影響します。タンパク質を増やす目的で選んだ食材が、同時にエネルギーも大きく増やしているケースは少なくありません。食材選びは「タンパク質が多いか」だけでなく、「一緒に何がついてくるか」もセットで見ます。
③ 1食に偏らせない
1日の合計が同じでも、夕食にまとめて摂る形は現実的ではありません。実際、朝食にタンパク質源がまったく入っていない方は多く、そこを埋めるだけで1日の合計が大きく変わります。卵・納豆・ヨーグルト・牛乳のうち、いずれか1つを朝に固定するところから始めるのがおすすめです。
ダイエット中に続けるための3つのコツ
① 減量中こそ「主菜」を減らさない
前述のJISSの資料でも、減量時は「たんぱく質源となる主菜の量はできるだけ減らさず、脂質の少ない食材を選ぶ」ことが勧められています[2]。ご飯も主菜も一律に減らす、というのが最もありがちな失敗です。減らす対象と、維持する対象を分けて考えます。
② 外食・コンビニでの「足し方」を先に決めておく
毎回悩んでいると続きません。「コンビニならサラダチキンかゆで卵を足す」「定食なら小鉢を冷奴か納豆にする」のように、選択肢をあらかじめ2〜3個決めておくと判断が速くなります。外食やコンビニでの具体的な選び方は、外食・コンビニで太らない食べ方で詳しく解説しています。
③ 数字を完璧に計算しようとしない
すべての食事のグラム数を計算しようとすると、ほとんどの方が数日で挫折します。まずは「朝にタンパク質源を1つ入れる」「昼と夜に主菜を必ず置く」といった行動レベルのルールに落とし込むほうが続きます。食事管理が続かない理由と対処法は、食事管理が続かない3つの理由と解決策にまとめています。
よくある勘違い
プロテインを飲めば解決する?
プロテインは不足分を埋める手段のひとつですが、食事が整っていない状態で飲むだけでは、思ったような変化につながりにくくなります。まず3食のタンパク質源を確認し、それでも届かない分を補う、という順番が基本です。
タンパク質だけ増やせばいい?
食事摂取基準の目標量が「%エネルギー」で示されていることからも分かるとおり、タンパク質はエネルギー全体とのバランスで考えるものです。タンパク質を増やしても、その分だけ総エネルギーが増えてしまえば、減量という目的からは離れていきます。何を足して、何を調整するかをセットで決めることが重要です。
メヲダス 五反田店の食事サポート
メヲダス 五反田店では、体験セッションのカウンセリングで現在の食事内容と生活リズムを伺い、その方が続けられる形での食事の整え方を提案しています。「完璧な食事」ではなく、「今の生活のまま、どこに何を足すか」を一緒に決めていく進め方です。
| プラン | 内容 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| 体験トレーニング | カウンセリング含む60分 | 無料 |
| 30分コース | パーソナルトレーニング(30分) | ¥4,000〜 / 1回 |
| 60分コース | パーソナルトレーニング(60分) | ¥7,500〜 / 1回 |
NSCA認定(全米ストレングス&コンディショニング協会)のトレーナーが、トレーニングと食事の両面からマンツーマンで伴走します。五反田駅(JR山手線・東急池上線・都営浅草線)徒歩2分・完全個室なので、仕事帰りでも人目を気にせず通えます。営業時間は8:00〜23:00です。
セッション外の「これ食べても大丈夫?」といった日常の疑問は、LINEでいつでもご相談いただけます。
よくある質問
必要なタンパク質量は体重によって変わりますか?▼
プロテインは飲んだほうがいいですか?▼
タンパク質は摂りすぎるとどうなりますか?▼
朝食を食べない習慣ですが、どうすればいいですか?▼
食事を変えると、どのくらいで変化を感じますか?▼
まとめ
ダイエット中のタンパク質について、要点を整理します。
- 1日の推奨量は18〜64歳で男性65g・女性50g。これは「不足しないためのライン」(厚生労働省・食事摂取基準2025年版)
- 目標量は13〜20%エネルギー。減量でエネルギーを減らすと、割合が同じでもグラム数は減りやすい
- 耐容上限量は設定されていないが、目標量の上限は20%エネルギー。多いほど良いわけではない
- アスリートの減量では体重1kgあたり1.6〜2.4gとされるが、これは一般の方にそのまま当てはめる数字ではない
- 「主食を減らす」のではなく「タンパク質源を足す」発想に切り替えると、基準ラインには届きやすい
- 調理後の数値は水分が抜けて高く見えるため、調理前後の基準を揃えて考える
「自分の食事だと何が足りていないのか知りたい」という方は、メヲダス 五反田店の無料体験(60分・カウンセリング含む)で、普段の食事内容から一緒に確認しましょう。入会の強制は一切なく、相談だけでも歓迎しています。
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書/スライド集(たんぱく質の食事摂取基準)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html - 独立行政法人日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センター「ウエイトコントロールガイドブック」
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/study/sports_nutrition/tabid/1474/Default.aspx - 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
※ 本記事は栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とするものではありません。体調や持病に不安のある方は、必ずかかりつけの医師にご相談ください。